チャンマールタイムス

様々なニュースについて語ります。

雑感 2021/02/15

※以前下書きに書き溜めていた物の放出

 

 小売業の従事者は総務省の統計によると760万人前後、経産省だと700万程度で若干調査によって差が生じるようですが、まあざっくりそのくらいの人がいるのは間違いないようです。小売業というのはかなり時間的には不利な生活を強いられます。基本的に小売企業の正規従業員であれば営業時間のほとんどの時間を常駐することになると思われますが、仮にシフト制だとしても朝がすごく早いか、あとは夜がすごく遅いという勤務形態にならざるを得ません。

 これに対してキャリアアップやスキルアップの為の学校や教室などはすごく遅くても開始が20時以降からというのは稀です。最近は”朝活”という事で早朝の英会話教室なども見受けられますが、多くのスクールが「9時17時勤務のサラリーマン」を対象としているため18時開始というのがボリュームゾーンであろうと思われます。従って小売業に従事しているとキャリアアップやスキルアップという自分磨きがほぼ不可能、という結論になります。

 小売業の営業長時間化、年中無休化が行くとこまで行ってしまい、どの企業も食いっぱぐれる馬鹿を見たくないので店は出来るだけ長く開けておきたい、できるだけ休みたくない、という心理に陥ります。マルクスの説いた資本家の「資本の奴隷となる」経緯と重なります。競争の中でほんの僅かでも不利(負け)の可能性をつぶしておきたい、という心理です。

 今は本来であれば9時17時勤務であるはずのサラリーマンでさえ残業などで長時間労働が当たり前になっているようで、そう考えると数千万人単位の人々が「スキルアップ・キャリアアップ」という道を閉ざされたまま生きているという事になります。様々なイノベーションによって社会を活性化させたいと目論んでいる政府としても早々に解決するべき課題ではないかと思うのです。